はじめてのペット撮影と保護犬猫活動のこれから
petomoni撮影会に参加して
day after tomorrow のボーカルとして17歳で歌手デビューしたmisonoさん。活動を休止した後にバラエティー番組や女優業など活躍の場を広げ、チャリティーやボランティア活動をしながら、現在は地元・関西に拠点を移しエステサロン(美來夢 京都店・大阪店) や飲食店をプロデュースするなど実業家として新しい分野に挑戦しています 。コロナ禍をきっかけに動物たちのための活動も本格的にスタート。どのような思いで始めたのか、petomoni撮影会を出張撮影会という形で体験いただいたmisonoさんにお話をうかがいました。
撮影のこと…
― 今日は撮影を体験していただきましたが、いかがでしたか?
撮影大嫌いなのですが、ペットの撮影会って初めてだったので楽しかったです
― 初めてとは、意外です。
以前、飼っていた捨て猫ちゃんとワンちゃんが亡くなったときに親から「可愛い写真をちょうだい」と言われたのに動画ばっかりで写真が全然なくて。チャリティーグッズもたくさん作っていますが、究極の面倒くさがりというのもあって、使える写真がほとんどなくて。
― 猫は犬と比べて撮影会に参加することが少ないので、「撮っておけばよかった」とおっしゃる方も多いです。ぜひ皆さんにも体感して、活用していただきたいです。misonoさんは、「こんな撮影会があれば」といったご希望はありますか?
家に来てくれるのはありがたいです。しかもめちゃくちゃ遊んでくれたから感謝でしかないです。いつも家に行ってるんですか?
― いつもは最寄りの会場に来ていただく形です。
猫って、「自分の家じゃないとイヤ」というのもあるし、外に出たくない人もいますしね。これだけ生活感を消して撮ってもらえて、最高です。misonoと猫の写真を見て「やりたい」という人が出てくるだろうから、これからも続けてほしいです。本当にありがとうございました。あ、この子(の様子)も撮ってあげて……(笑)
KODA家と一緒に暮らす9匹のねこちゃんたち
misonoさんの保護犬猫活動のこと…
― 撮影会、お疲れさまでした。(部屋を見渡して)いま飼育されている猫ちゃんは、9匹ですね。
いまは9匹ですが、近々また里親になる予定なので10匹になると思います。保護猫が4匹です。(インタビュー時点。23年4月時点は10匹、うち保護猫4匹)
― 幼少期から動物に囲まれていたんでしょうか?
父がムツゴロウさんみたいな人で。小さいときから、捨て猫、犬、金魚、亀、鳥、うさぎ、ハムスター……。常に動物がいる家でした。いまも、仕事で地方や海外に行くたびに必ず動物園に行くぐらい、動物が唯一の癒しです。
― 動物を常に身近に感じてきたmisonoさんですが、今年、保護活動を始められました。そのきっかけは何だったのでしょうか?
38年間、生きてきて「動物たちにこんなに幸せにしてもらっているのに自分は何もできていない」と思ったんです。コロナ禍で仕事がなくなって家にいる時間が増えて、ストレスを感じたという人もいると思いますが、自分は猫がいるおかげでステイホームが苦じゃなくて。メニエール病や不眠症にも悩まされてきたけど、猫のおかげで規則正しい生活をおくれるようになって、体調も良くなった気がするんです。
だからアニマルセラピーを本当にオススメしたいし、動物たちにもらった愛を、返したいと思ってめちゃくちゃ勉強し始めました。調べてみて「気づくのが遅かった」とも思いましたが「今更やっても手遅れだから」と諦めてしまうんじゃなくて、気づいた瞬間からとにかく言葉と行動にして「いま動こう」と。
点と点を線にして広げたいです。
巻き込んで、広げたい
―misonoさんが、活動の中で大切にしていることとはなんでしょうか
misonoなんかが子供食堂や子供宅食、福祉の施設や保護犬猫に寄付し続けられているのも、芸能生活を20年間続けて来られたのも、全て周りの人のおかげでしかなくて。ご縁にも恵まれて、こんな大人になりたいという方に囲まれて、人の優しさにたくさん触れてきた人生なんです。だから30歳以降は返すだけの人生と決めたんです。お世話になった先輩から学んだ物事を受け継いでいきたいです。
コロナ禍をきに地元である京都に戻ってきて、より一層チャリティやボランティア活動がメインとなり、関西でまた0から人脈を増やしている最中なのですが、人と人を繋げればすごく大きな1つのエネルギーになります。1人で活動するに
は限界があるし、人って得意分野があると思うんです。だから役割分担して協力や応援し合って切磋琢磨できたら最高です。そして真実から目をそらすんじゃなくて、1人でも多くの人にこの事実を知ってもらいたいです。
―やってもらったことを循環させるというのは、保護犬・猫の世界にも通じますね。これまで知らなかった人に伝えることで、輪が広がっていく。misonoさんが先輩から教わってきたこととリンクするようですね
「misonoにもできたんだから、あなたにもできるよ」って言いたいんです。みんなの夢や希望、勇気になりたいし、誰かの何かが変わるきっかけになりたい。かつては自分が嫌いで、悪い見本として「こうなっちゃいけないよ」と生きていた頃もありました。何かやればネットニュースになって悪い記事を書かれて、「イメージやキャラが最悪なmisonoがやるからだめなんだ」と、この名前を一番の敵だと思っている時期もありました。でも「芸能人のmisonoが施設に来てくれた」と喜ばれたりして、めちゃくちゃ嬉しかったんです。
だから一時期は一般人に戻って支援していこうとしましたが「ローマ字の“misono”はすごいんだ」と周りが思わせてくれたから、まだ芸能界を引退できずにいます。
夫のNosukeさん
自分にできることの1つが、人もペットもつなげること
―これまでの活動で印象に残っていることはありますか?
正直、救っても救っても報われない子たちはたくさんいて。自分なら心が折れるし「きりがない」とも思いました。でもみんなの活動を見ていくうちに、次第に「このボランティアの人たちは何に支えられているんだろう?」という疑問を抱いて「動物のみならずこの人たちまで助けたい」という感情も生まれてきました。
―活動している方のサポートですね。
活動している方々はみんな、連絡が入ったら寝ていても飛び出していく人たちなので、倒れてしまわないか心配で。どんどん元気じゃなくなって、辞めていく人たちもいるので。ちゃんとおいしいものを食べて、心身共に健康的でいてほしくて。母のエステサロンの施術をプレゼントしたり、食事をご馳走したりしています。だから自分も「もっと働かなきゃ」って、いい刺激になっています。
※misonoさんはエステサロンの美来夢(ビラム)の京都店と大阪店をプロデュースしている。
―misonoさんの活動では人と人を「つなげる」印象があります
「殺処分0をめざして」とかみんなの目的は一緒なのに、価値観の違いでそれぞれの道で別々に保護活動をしています。勿論、悪い事じゃないんですけど目標が一緒なら共通点があるはずだし、孤独にやるんじゃなくて全員で一緒にできると思うんです。
こんなにもたくさん点はあるので、点を打っていく作業じゃなくて自分は点と点を線で繋げる役になりたい。やり方が違うだけでライバルになってしまうんじゃなくて「架け橋になれたら」とも思っています。そのためにはもっと大きい人間にならなければいけないので、課題ばかりです。
―見えてきた問題をクリアして、また見えてくる、の繰り返しですね。
山と一緒です。少し上るだけで景色や気持ちが変わります。見える範囲も広がって綺麗じゃない部分まで視野に入ります。登れば登るほど辛いし大変だししんどい。なのにゴールがない。でも止められない。自分は毎日、動物たちが自分にパワーをくれていますから。KODA家の猫だけが幸せであれば良いのか?と毎日、考えさせられているので休んでる場合じゃないです。
やればやるほど見えてくる辛い現実 でも選択肢を示していきたい
―保護活動をするにあたって「難しいな」と思ったことはありましたか?
殺処分の辛さですね……。殺処分をゼロにするために、寄付をしたいと思っています。どうしても、という場合でも、ガスではなく、せめて安楽死。お金がかかるという理由でガスによる処分があるなら、なんとかしたいです。
それから、炎天下でも水も飲めず、生きることすら許されない子たちがいることも。あと、「地域猫」という言葉が浸透すればいいなと思っています。公園に猫がいるだけで嫌という人もいますし、怪我をさせられたり、悲しい例はきりがなくて、目の前の子たちだけを救っていてもらちが明かない。
いっそ自分で手術できるくらいの資格を取れたら、と思うこともあります。とはいえ、そう簡単にできることではないので、いまは手術してくれたお医者さんへの寄付をしています。
あとは、動物を大切にしようという発信。発信については、ウチも初めはペットショップで買っていますし、押しつけはいけないので、みなさんに選択肢を示せれば。
―保護施設から迎えるのが当たり前になってきてはいますが、いろいろな選択肢を知っていただくのは大切ですね。今年1月から活動を始めて、重ねていく中で見えてきたものはありますか?
やればやるほど、悲しいことばかり見えてきます。「なんで37歳までやらなかったんだろう」、「もっと早くからやっていれば違ったのに」と、反省の日々です。
「アニマルシップ」を掲げて、目の前の問題を一つずつ
―misonoさんが考える、動物たちとの理想のくらしとはどんなものでしょうか?
いま、売り上げから寄付をしようとアパレルを作っているのですが、その名前を「アニマルシップ」としたんです。スポーツマンシップのように、動物を飼うならば、覚悟を持って、胸を張り、恥なく、死ぬまでともに幸せにありたい、という宣言のようなイメージです。
活動をしていて、どうして人と動物が同じ扱いじゃないのか。人を殺した時と動物を殺した時はどうしてこんなに違うのか、と思うんです。同じ命なのに、しゃべれない動物たちが殺されて、その罪がこんなに軽い。でも、これを解決しようとしたら、法律を変えるしかない。掲げるには大きすぎる目標です。
私は上を見るとやる気が出ないけれど、下を見て、地に足がついているのを確認してからいったん落ち込んで、それからどうやって上がるかを考える。「まずここに上がるにはどうすればいいだろう」の「ここ」しか、見たくないところがあります。
問題解決には「蛇口の部分を解決しないと」とも言われますが、その間も水は出ている。それが気になるタイプなので。「今後何をやりたい?」といつも聞かれますが、まずは目の前の問題を一つずつやらないと、と思っています。
misonoさんと夫のNosukeさん
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